大腸ポリープ
〒547-0024 大阪府大阪市平野区瓜破2丁目1-4喜連瓜破メディカルモール2F
大腸ポリープ
大腸の管の表面は粘膜でできています。この粘膜層の最も浅い層の一部がイボのように隆起してできたものを大腸ポリープといいます。大きくは「腫瘍性ポリープ」と「非腫瘍性ポリープ」に分けられ、さらに下記のように分類されます。腫瘍性ポリープは、悪性腫瘍(がん)と良性腫瘍(腺腫)に分かれます。非腫瘍性ポリープは、炎症性ポリープ、過形成性ポリープ、過誤腫性ポリープ、その他に分類されます。このうち非腫瘍性ポリープは加齢や炎症によるもので特に治療を必要としませんが、腫瘍性ポリープは大腸がんになる可能性があります。
大腸がんは、最初からがんとして発生してくる場合と、良性腫瘍(腺腫)が悪性化して大腸がんとなる場合があります。良性腫瘍(腺腫)のうちにポリープを取ってしまうことで大腸がんを予防することができます。大腸ポリープの80%は腫瘍性ポリープであり、これらは大腸がんの前がん病変といわれており注意が必要です。
大腸ポリープは、直腸に最も多く発生し、次に直腸に近いS状結腸に多く発生します。50歳以降に多くみられ、高齢になるほど増える傾向にあります。自覚症状は乏しく、ポリープが小さいうちはほとんど無症状ですが、大きくなって出血や腹痛を感じることもあります。また、肛門の近くにポリープができたことにより血液のまじった便が出たり、稀に大腸をふさいでしまい、腸閉塞を起こしたり、ポリープ自体が肛門から飛び出してしまうこともあります。
大腸ポリープは、がんの源であるという点が最も重要で、大腸にできるポリープの約80%は、腺腫といわれるがんになりやすい(もしくは既にがん化している)ポリープです。大腸がんは、正常な粘膜から良性腫瘍(腺腫)が生じ、それが悪性化してがんになるケースと、腺腫の状態を経ずに一気にがんになるケースがあります。大腸がんもそうですが、腺腫に関しても大腸がんへと変化する可能性があるため治療が必要となってきます。腺腫のうちから治療を行うことによって、大腸がんを予防することができます。
ポリープができる原因としては、主に遺伝子の異常であると考えられています。大腸がんのリスクを高める要因として、
1.年齢(50歳以上)
2.家族歴(血のつながった親・兄弟・子供)に大腸がんを患った方がいる場合
3.生活習慣(肥満、過度な飲酒・喫煙、高カロリー食、肉食傾向)
こうした要因が特定の遺伝子に変化を起こすことでポリープを発症し、がんになるといわれています。家族に大腸がんを患った方がいる場合、そうでない方に比べて2~3倍ほど罹患率が高い傾向にありますので、40歳を過ぎて一度も検査を受けたことがない方には大腸カメラ(大腸内視鏡)を推奨しています。
また家族内で頻発するポリープとして、「家族性腺腫性ポリポーシス」という数百から及ぶ無数のポリープが大腸にできる病気があります。治療せずに放置すると、年齢が上がるにつれてがん化する確率が高くなり、ほぼ100%大腸がんになるといわれています。
小さなポリープでは、ほとんどの場合において無症状です。
つまりポリープのほとんどは、大腸内視鏡(大腸カメラ)検査で偶然に見つかっています。 大きなポリープでは、時に出血や、粘液便、腹痛、便通異常などをきたす場合がありますが、やはりほとんどは無症状です。
大腸がんになる可能性のあるポリープをより早期に見つけるためには、症状がないうちでも、大腸内視鏡(大腸カメラ)検査を中心としたがん検診を受けることが重要です。
【がん化の流れ】
一般的に、腫瘍性ポリープの腺腫(まだがん化していないポリープのこと)の状態が、数年間をかけて徐々に大きくなり、大腸がんに移行していく場合が、大腸がんの80%を占めるといわれています。過形成ポリープの中でも、サイズが10mmを超える場合などは、腺腫と同様に「がんへの移行リスクの高いポリープ」と近年いわれるようになってきました。
また正常の大腸粘膜から直接発生するがんは、早期に浸潤・転移するタチの悪いがんであり、定期的な検査が重要になってきます。
【腫瘍性ポリープ】
腫瘍性ポリープは、大腸ポリープの中で最も多いタイプで、がん化の危険性が高いので注意が必要です。腺腫性ポリープは、その形態によってさらに次の3つに分類され、がん化のリスクの高さも違ってきます。
形態 |
頻度 |
がん化のリスク |
内容 |
管状腺腫 |
頻度は高く、腺腫性ポリープの大部分はこちらのタイプ。 |
比較的低い。 |
管状の形態を保ったポリープ。 |
絨毛腺腫 |
発生頻度はあまり高くない。 |
腺腫性ポリープのなかで最もがん化しやすい。 |
絨毛の形態を保ったポリープ。 |
管状絨毛腺腫 |
発生頻度はまれ。 |
絨毛腺腫の次にがん化しやすい。 |
管状腺腫と絨毛腺腫が混合している。 |
【便潜血検査】
便潜血検査では、便が大腸内でがんやポリープなどと接触することによって生じた出血の有無を調べます。2日間の便を容器にとり、便中に含まれる血液の有無を調べます。目に見えない微量の出血でも感知できる検査です。1日でも陽性と判定されれば、一般に大腸内視鏡による精密検査を行います。便潜血検査により、進行がんの90%以上、早期がんの約50%、腺腫などのポリープの約30%を見つけることができ、その結果、大腸がんの死亡率を約60%下がることが報告されています。最終的に大腸がんになるリスクを46~80%下げることができます。
また便潜血検査で陽性になった以外でも、大腸内視鏡による精密検査を行う場合があります。
・家族歴、既往歴で大腸ポリープが疑われる場合
・もともと血便がある。便が細い
・腹痛などの症状がある
【採便時の注意】
・なるべく検査当日、前日、前々日の3日間のうちから2回(2日間)とるようにしてください。
・便をとった後は日の当たらない涼しい場所(25℃以下)に保管してください。
・生理中は避けてください。生理が終わった後、2~3日してから採取してください。