みなさんは食中毒と聞くとどのようなものを想像されるでしょうか?
気温も湿度も高い真夏に食中毒が多いと思われがちな食中毒ですが、実は年間で一番発生件数の多い時期は9~10月です。
厳しい夏を乗り切った体は体力が落ち、免疫力も低下しているところに、大きな気温の変化も加わり体調を崩しやすいことなどが原因に挙げられます。
食中毒の原因として、細菌、ウイルス、自然毒、化学物質、寄生虫などさまざまあり、食べてから症状が出るまでの期間やその症状、また予防方法も異なります。
今回は家庭内での食中毒予防の3つのポイントをご紹介します。
家庭での食中毒予防は、食品を購入してから、調理して、食べるまでの過程で、どのように、細菌を「つけない」「増やさない」「やっつける」を実践していくかにあります。
① 「つけない」=「洗う、分ける」
手にはさまざまな雑菌が付着していますので、調理や食事の前、残った食品を扱う前には十分な手洗いをしましょう。調理で使用したまな板などの器具はきれいに洗浄しましょう。残った生肉の保管に際しては菌が広がらないように他の食品と分け、密封容器に入れるかラップで包み冷蔵庫で保管しましょう。
② 「増やさない」=「低温で保存する」
細菌の多くは高温多湿な環境で増殖が活発になりますが、10℃以下では増殖がゆっくりとなり、マイナス15℃以下では増殖が停止します。食べ物に付着した菌を増やさないためには、低温で保存することが重要です。
③ 「やっつける」=「加熱処理」
ほとんどの細菌やウイルスは加熱によって死滅しますので、肉や魚はもちろん、野菜なども加熱して食べれば安全です。とくに肉料理は中心までよく加熱することが大事です。中心部を75℃で1分以上加熱することが目安です。調理器具も洗浄後に熱湯をかけて殺菌しましょう。
また、近年のコロナ禍でテイクアウトやデリバリーを利用する頻度が高まっていますが、調理してからお客さんが食べるまでの時間が長いため、気温の高い日には特に食中毒のリスクが高まりますので、こちらも注意が必要です。
食中毒かな?と思ったら
おう吐や下痢の症状は、原因物質を排除しようという体の防御反応です。
市販の下痢止めなどの薬をむやみに服用するのは危険ですので、早めに医師の診断を受けるようにしましょう。